相続した家を解体する前に家族で確認したいこと
相続した実家を解体するかどうかは、費用だけでは決めにくいものです。
名義、相続、兄弟での費用負担、残置物、仏壇、売却予定など、家族で確認したいことが多くあります。
実家の解体費用は、建物の構造や坪数に加えて、残置物、外構、アスベスト、遠方対応でも変わります。
実家の解体前に整理すること
- 実家の解体費用が変わる条件
- 家族で先に決めておきたいこと
- 残置物や仏壇の扱い
- 遠方の実家で見積もりを取る準備
- 相続や売却前に確認したいこと
- 見積書で確認する項目
実家の解体費用は何で変わる?
実家の解体費用は、建物本体だけでは決まりません。
主に次の条件で変わります。
| 条件 | 費用に影響する理由 |
|---|---|
| 建物の構造 | 木造、鉄骨造、RC造で解体の手間が変わる |
| 坪数・階数 | 建物が大きいほど作業量と廃材量が増える |
| 老朽化 | 手作業や安全対策が増える場合がある |
| 残置物 | 家具・家電・生活用品の処分費がかかる |
| 外構 | 庭木、塀、物置、車庫などの撤去費 |
| アスベスト | 調査、分析、除去、処分が必要になる場合がある |
| 道路条件 | 重機やトラックが入りにくいと費用が上がる |
実家は長く使われてきた分、家の中にも敷地内にも確認するものが残りやすいです。
構造・坪数別の費用目安
実家の解体費用も、まずは建物本体の構造と坪数で大まかに見ます。
ただし、実家の場合は残置物、仏壇、庭木、塀、相続後の売却予定、遠方対応によって総額が変わりやすいです。次の表は、建物本体を中心にした目安として見てください。
| 建物の条件 | 解体費用の目安 | 実家で確認したいこと |
|---|---|---|
| 木造30坪前後 | 90万〜150万円前後 | 家具・家電、仏壇、書類の確認 |
| 木造50坪前後 | 150万〜250万円前後 | 部屋数、残置物量、庭木・物置 |
| 鉄骨造30坪前後 | 120万〜210万円前後 | 構造確認、搬出経路、工期 |
| 鉄骨造50坪前後 | 200万〜350万円前後 | 廃材処分、重機条件、近隣対応 |
| RC造30坪前後 | 180万〜300万円前後 | 騒音・振動対策、工期 |
| RC造50坪前後 | 300万〜500万円前後 | 工期、処分費、近隣説明 |
家族で費用を共有するときは、この目安に加えて、残置物撤去費や外構撤去費が別にかかるかを見ておきます。
家族で先に決めておきたいこと
見積もり前に、家族で次の項目を話しておくと進めやすくなります。
| 決めること | 理由 |
|---|---|
| 解体するか、売却するか、残すか | 見積もり条件が変わるため |
| 費用を誰が負担するか | 契約前に合意しておく必要があるため |
| 残置物をどうするか | 片付け費用と工期に影響するため |
| 仏壇や位牌の扱い | 事前に親族で確認が必要なため |
| 写真・書類の確認担当 | 個人情報や思い出の整理が必要なため |
| 代表者 | 業者との連絡窓口を決めるため |
| 工事希望時期 | 家族の片付け予定と合わせるため |
全員一致してからでないと見積もりが取れないわけではありません。
ただ、工事契約の前には、所有者や共有者の同意を整理しておく必要があります。
残置物がある実家は費用が上がりやすい
実家には、家具、家電、衣類、本、食器、思い出の品などが多く残っていることがあります。
残置物が多いと、分別、搬出、運搬、処分の費用がかかります。
特に確認したいのは次のものです。
- 大型家具
- 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン
- 仏壇、位牌、遺影
- 写真、アルバム
- 通帳、保険証券、権利証などの書類
- 印鑑、貴金属
- 灯油、スプレー缶、薬品などの危険物
ケース:兄弟で費用負担を決める前の実家
たとえば、親が住んでいた木造30坪前後の実家を、相続後に売却するか解体するか迷っているケースがあります。
家の中には家具、家電、写真、書類、仏壇が残っており、兄弟で費用負担をどうするかも決まっていません。この場合、先に解体費用だけを見るのではなく、残置物を誰が確認するか、仏壇をどう扱うか、売却予定があるかを家族で整理します。
見積もりでは、建物本体、残置物撤去、庭木や塀、アスベスト調査、整地の仕上がりを分けて確認すると、家族間で共有しやすくなります。
遠方の実家で見積もりを取るとき
遠方にある実家では、現地に何度も行けないことがあります。
その場合は、写真と資料を準備しておくと相談しやすくなります。
- 建物外観の写真
- 各部屋の残置物写真
- 道路幅や駐車スペースの写真
- 庭木、塀、物置の写真
- 固定資産税通知書など面積がわかる資料
- 近隣や親族で立ち会える人の有無
写真だけで概算を出し、必要に応じて現地確認に進む方法もあります。
ただし、契約前には工事範囲を具体的に見ておきます。
相続した空き家を売る場合の税制も確認する
相続した実家を売る場合、税制の確認も必要になることがあります。
国税庁の「被相続人の居住用財産を売ったときの特例」では、一定の要件を満たす場合の譲渡所得の特別控除について案内されています。
適用条件は建物の状況や売却時期などで変わるため、売却を考えている場合は税務署や税理士、不動産会社にも相談しておきます。
アスベストや建設リサイクル法も確認する
築年数の古い実家では、アスベスト含有建材の事前調査が関係することがあります。
また、一定規模以上の解体工事では、建設リサイクル法の届出が必要になる場合があります。
実務上は業者がサポートすることもありますが、発注者として見積書に調査や届出の扱いが入っているか見ておくと、後から確認し直す手間を減らせます。
実家の見積書で確認したい項目
実家の解体見積書では、家族で同じ項目を見ておくと共有しやすくなります。
- 建物本体の解体費
- 残置物撤去費
- 仏壇や特殊なものの扱い
- 庭木、庭石、塀、物置の撤去費
- アスベスト調査・除去の扱い
- 地中埋設物が出た場合の費用
- 整地の仕上がり
- 支払い条件と代表者
見積書を家族で共有するときは、総額だけでなく、何が含まれているかを見ましょう。
よくある質問
実家を解体する前に全員の同意が必要ですか?
所有者や共有者の同意は重要です。名義や相続状況によって必要な確認が変わるため、契約前に家族で整理します。
遠方の実家でも見積もりできますか?
できます。外観、室内、道路、残置物の写真や面積資料があると、相談しやすくなります。
残置物はすべて片付けないと見積もりできませんか?
すべて片付けていなくても相談できます。残っている量と業者に任せたい範囲を先に伝えます。
まとめ:実家の解体は費用と家族の合意を並行して整理する
実家の解体費用は、建物本体だけでなく、残置物、外構、アスベスト、遠方対応で変わります。
費用を確認しながら、名義、費用負担、残置物、売却予定を家族で整理しておくと、次に進めやすくなります。
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参考情報
執筆者
執筆:中原 実咲
住宅解体・空き家整理領域 編集ライター
住宅リフォーム会社の相談窓口、地域工務店の施工事例編集、住まい系比較メディアの編集を経て、解体費用・見積書・空き家管理に関する記事制作を担当。費用の幅、追加費用の条件、契約前の確認点を整理する記事づくりを得意としています。
公開日: 2026.05.10